再生可能エネルギー活用(太陽・バイオ)
太陽エネルギーの活用
低炭素社会を実現するため、太陽エネルギーとコージェネを組合せる先進的な取り組みが行われている。1つは太陽熱を集熱しコージェネ排熱と共に活用する方法、もう1つは太陽光発電電力をコージェネ発電電力と合わせて供給する方法である。
太陽熱併用
- 建物屋上等に太陽熱集熱パネルを設置し収集した熱をコージェネの排熱と組み合わせて、冷房・暖房・給湯に利用するシステムである。
- 季節や天候に伴い変動する太陽熱をコージェネ排熱にて補完しつつ排熱投入吸収冷温水機等で活用し、より多くの省エネ・CO2削減を図るものである。
- さらに貯湯槽を設けることにより集中する給湯需要にも柔軟に対応でき、省エネ・CO2削減効果をさらに高めることが可能となる。
- 太陽熱集熱器によって得られる熱は、夏季に多く冬季に少なくなる特性を有する。その為、年間冷房を基本とする商業店舗等に適用した場合、夏季ピークに増大する燃料消費を抑制し、環境性を高めることができる。
太陽光発電併用(W発電)
- 建物屋上等に太陽光パネルを設置し、コージェネの発電電力と合わせて供給するいわゆるダブル発電方式である。
- 本方式は、時刻・季節・天候によって出力が変動する太陽光発電に対し、コージェネの安定した出力を足し合わせることにより、見掛けの変動割合を削減し、かつ高い省エネ・省CO2を実現するものである。
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近年、九州地方や中国地方を中心に太陽光発電の出力抑制が発生しているが、その様な時間帯に稼働中のコージェネの出力を抑えることで、再エネの有効活用に貢献することができる。(上げデマンドレスポンス)
- 既に一部メーカーからは太陽光発電装置とコージェネシステムをセットにしシステム販売が開始されている。
バイオマスエネルギーの活用
下水汚泥・食品廃棄物・畜産廃棄物・農業廃棄物等のバイオマスを主に以下の方法でエネルギーとして活用できる。
- 生物化学的変換(嫌気性発酵等)や熱化学的変換(熱分解ガス化)によってメタンガス化して利用する方法。
- 木質廃材・廃棄物・林地残材のチップやペレット等を直接利用する方法。
- 廃食用油等を原料とした液体のバイオマス燃料を利用する方法。
メタンガス化利用
下水処理場、清掃工場、食品工場等で発生する廃棄物を嫌気性発酵等によりメタンガス化し、ガスタービン、ガスエンジン、燃料電池の燃料とすることで熱と電気の供給が可能である。熱用途としては発酵槽の加温に使用されることが多い。
バイオガスの発生量が不安定な場合は、都市ガスとの混焼も可能である。
またパイプラインがない畜産・農業系バイオガスの場合でも、生成するバイオガスの変動に効率的に対応するため、小型コージェネを台数制御によって複数台設置し対応するシステムの販売が開始されており、再生可能エネルギーの有効活用法としての普及が期待される。
直接利用
農林業や畜産業が盛んな地方では、木屑・製材残材・木地残材、あるいは蓄ふん(鶏糞等)を燃料とした熱電併給が多数採用されている。
収集された廃材・木屑・建設残材・蓄ふん等は、集積場所に貯留された後、ボイラーにて焼却され高圧蒸気が生産される。高圧蒸気は蒸気タービンに送られて発電し、タービン出口の低圧蒸気は燃料の乾燥あるいは外部へ供給される。