エネルギーの高度利用
エネルギーの高度利用例として、廃棄物処理施設におけるコージェネの活用事例を以下に紹介する。
廃棄物処理場における排熱利用
システム概要
原動機の種類 | ガスエンジン |
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定格発電出力・台数 | 1,200kW×3台 |
排熱利用用途 | 廃棄物燃焼空気の代替、 温水プール(2022年8月予定) |
逆潮流の有無 | 無 |
運用開始 | 2020年7月 |
1次エネルギー削減率 | 20.8% |
廃棄物発電は、地産地消・分散型の再エネ電源として重要な役割を担っているが、廃棄物処理施設においてもコージェネの排熱を有効活用することにより、省エネ性と環境性の向上が図られている。
本施設では、ガスエンジンの排ガス熱を廃棄物発電設備(燃焼室ボイラ)で直接回収している。排ガス中の酸素(O2)を廃棄物燃焼に利用し、廃棄物燃焼用空気を削減することにより、廃棄物発電量の増加に加え、廃棄物処理とガスエンジンで発生する排ガス総量を低減させている。
ガスエンジン排ガスを廃棄物処理プロセスに導入することで専用脱硝設備が不要となり、同設備の建設コストと維持管理コストを低減。また、北名古屋工場の二次燃焼室では炉内脱硝作用を発揮させ、廃棄物処理用の脱硝薬品使用量が増加しない制御を実施しており、省エネと環境性の向上を両立させたコスト低減可能な仕組みを実現した。
また、ガスエンジン発電プロセスと廃棄物処理・発電プロセスを組み合わせ、平時にエネルギー効率と経済性の最大化を維持しつつ、非常時もガスエンジンの電力により自立起動・継続運転できるため、廃棄物処理の継続と防災拠点としての機能維持により社会貢献している。